普段使わない物ほどいざという時に重要だったりするものです。「消火器は必要?水でいいのでは?」という意見を聞くことがあります。たしかに、燃焼の三要素のどれかを阻止することができれば水でも火は消せます。
しかし、消火器は必要です。なぜなら、初期消火において消火器ほど効率的なものはないからです。
そこで今回は、消火器は必要ですよという話です。
どこが燃えるかわからない
火災のときに来てくれるのは、消防士の方々ですね。頼りになる頼もしい方々です。この方々達が火災現場の消火活動でやることは、消防ポンプ車から“火に水をかけまくる”こと。そこで思うわけです「ならば水でいいだろう」と。わからなくもないですが消火器を置こう。
まず、火災というのはどこで起こるかわかりません。水道の近くであればホースやバケツを使ってすぐに水をかけることもできるでしょう。しかしながら、もし水道から遠い場所だったらどうします?
火がでた場所から水道まで走って行き、水を汲んで戻ってくる。大変ですよね。まだバケツが近くにあればいいですよ。もしなかったら「おーい!バケツどこ〜?」なんてやってるうちに火はどんどん燃え広がって行きますからね。たとえバケツがあったとしても、水をこぼさずに走って運ぶ自信がわたしにはありませんよ。
火災は水道の場所を気にしない
初期消火の時間は発火から3分以内
火が出て間もない頃の火が広がっていない状況で消火することを初期消火といいます。この初期消火の成否によって、大事に至るかボヤで済むか、決まるのです。
火が天井に燃え移ってしまうと、もはや素人では消すことができないと言われています。それまでの猶予時間はどれくらいだと思いますか?
状況にもよりますが、およそ3分。たったの3分ですよ。水を汲みに行っている時間なんて無いのです。
初期消火可能な時間はおよそ3分
初期消火成功率70%の実力
繰り返しますが、初期消火の成否が運命を変えるのです。消火器を使用した初期消火の成功率はなんと70%を超えると言われていますからね。こんな便利な物を使わない手はないのです。
所々に消火器が配置されていることで、素早く初期消火に取り掛かれるというメリットもあることでしょう。
しかしながら、注目すべきは内部に充填されている消火薬剤。これは、各メーカーがいかに火を消すか研究に研究を重ねて作り出したものですから間違いなく効果的です。
初期消火の成功率は70%超
バケツ9杯分の消火能力
消火薬剤がいかに消火能力に優れているのか。それを一般的に多く使用されている粉末10型消火器を例に見てみます。
粉末10型の消火薬剤の量は機種によって違い3kgと3.5kgです。これと同じだけの消火能力を水で用意しようとすると8Lの水バケツ9杯。なんと72Lになります。2Lのペットボトルだと36本分ですね。
どうでしょうか?「すごい」と感じるか「へぇ〜」と感じるかはお任せしますが、水の入ったバケツ8個持ってくるよりも、ペットボトル36本持ってくるよりも、消火器1本持ってくるほうが楽ですよね。
消火器の消火能力の高さをわかっていただけたでしょうか。
消火器1本=水72L
まとめ
- 初期消火は時間勝負
- 消火器の消火能力は高い
以上、消火器は必要ですという話でした。
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