いま目の前にある赤い消火器。
その歴史は意外と長いのです。
そこで今回は、身近となった消火器の歴史の話です。
消火器が発明されたのはいまから298年前の1723年。アンブローズ・ゴトフリーというイギリス人によってでした。この世界初の消火器は、導火線に火をつけて内部の火薬を爆発させ同時に消火剤を撒き散らすというものでした。
ちなみにこの頃の日本はというと、江戸時代中期で第8代将軍の徳川吉宗が活躍していた頃です。もちろん消火器なんてものはありませんでした。日本に消火器がお目見えするのはもう少したってからのことになります。
時は流れ1813年。またもやイギリス人によって新たに噴射式の消火器が発明されます。これはガスの力によって消火薬剤を噴射するもので、現在の消火器の原型になったといわれています。現代消火器の父とも言うべきこのイギリス人の名前はジョージ・ウイリアム・マンバイ。
ちなみにこの頃の日本は、江戸時代も後期に差し掛かり第11代将軍徳川家斉の時代となっておりました。異国船打払令なんてのをやっていた頃です。まだ消火器なんて見る影もありません。
さらに時は流れて1872年。なんとか開国できた日本で西京博覧会が開催されます。このときにアメリカより出品されたのが消火器でした。ようやく日本に消火器が登場したのです。
そしてそして、それから23年後の1895年になると丸山商会(現在の(株)丸山製作所)から記念すべき日本初の国産消火器が製造販売されました。世界で初めて消火器が発明されてから実に162年後のことでした。
当時はとても高価なものだったようです。お米10kgがおよそ1円で買えた時代、消火器の価格はおよそ6円というものでした。
その後、改良が重ねられていき1965年頃になると現在一般的に使用されている粉末消火器が多く会社から販売されるようになりました。ようやく消火器が世の中に普及していくようになったのでした。
以上、消火器の歴史についての話でした。
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